香川賢志さんの写真教室
新型コロナウィルスの現在を知りたいとき、ニュースサイトよりもtwitterをザッピングすることにしています。
玉石混交の情報が入り乱れて、自由を感じることができるからです。その中で玉を見つけましたよ。
この記事の目次・索引
写真教室が始まるってよ
流れと感想
流れとしては、
- twitter, LINE, facebookなどで香川さんと連絡をとる。
- オンラインで写真を共有する。
- zoomにて画面を共有しながら写真に対してコメントをもらう。
- 雑談する。
というもの。流れとしてはいたってシンプルです。ただ雑談しながら写真を見てもらって指摘をしてもらうのですが、香川さんからもサンプル画像がときどき届きます。それとの比較をしながら話ができるので、その「違い」が鮮明ですね。
この写真講座がすごいのは無料なので最初の一回だけ、後は有料です、みたいなご商売ではないところ。このご時世に「写真という究極のコミュニケーションツールを皆に広めたい」、「そこから生まれる何かを見極めている状態」とのことでした。
今のうちに沢山撮影してフィードバックがもらえると、生涯の宝になります。写真のハイアマチュアは誰だって自分の写真はそこそこいけてる。でも何かが足りないと思っているもの。自分が撮影した写真についてプロから色々ご指摘もらえるのはありがたいものの恥ずかしいし、欠点がさらけ出されるから悔しい、という思いはあるかも知れません。
でも、こんな時かだらこそ一歩を踏み出そうっと。そしてご指摘いただいた内容が修正できた、と考えられる写真をまた送ることでフィードバックが得られます。得難い機会です。
第二回セッション/追加の写真を見てもらって
昨日のお試し的な講義をしてもらえたあと、「もっと現在撮っている写真をみてみたい」というご要望があり、ずうずうしくもさらに多くの写真を見てもらいました。その第二回のレポートです。
今回のセッションも約3時間の長丁場でした。ビジネスの話を交えつつ、その流れから添削をしてもらうことができました。
どこが悪いのかが指摘しずらい写真からも
ハイアマチュアとして今一つ伸び悩んでいること。それは、
- なんとなくきれいな写真を撮ってみた。
- ボケも効いているし画面も明るい。
- でも「きれいな写真」で終わっている。
- 魅力的な目を引くような写真にならないのはなぜか。
ということではないでしょうか。例えば下の写真のように、一般的な桜の写真があったとします。この写真の欠点を指摘してもらい、「より良くするにはどうしたらよいのか」という指導を受けることができました。
具体的には次のようなご指摘がありました。
- 右の桜が明るく、そこに目がいった後目線は左上に移動するのだが、
- ぼけていない枝が邪魔をする。そこで目線の誘導が遮られてしまう。
- 構図にはリズム感が必要なのです。
具体的な指摘をもらえると、次の撮影時に何に気をつけたらいいかが分かってきます。ここでも画面の整理の仕方がポイントになります。引いたり寄ったりする場合にも全て意味がある、ということなんですね。
ストックフォトと作品撮りの違い
また写真の添削をしながら、一方で雑談にも花が咲きます。流れの中で、以前から細々と取り組んでいるストックフォトのポートフォリオについても中身をみてもらいました。
曽我は初対面の人と話をして、打ち解けていくのは比較的得意なほうなのですが、そのざっくばらんな性格の弱点は「細部の詰めがあまいこと」です。
思い描いた絵にするためには細部への拘りが必要だ、というお話も耳が痛かったです。その細部への拘りが二つ三つ、そして七つぐらいまで摘み上がるだけで相当な違いになります。またそれはもともとの目的だったクライアントからの撮影を一から任せてもらえる、ということに繋がりそうです。
早速撮り直したものはこちら
今後一枚一枚丁寧に撮っていくことにします。
「曇りの日でも爽やかに撮ろう」
曇りの日の撮影はどうしてもテンションが下がりませんか。
どうしてかと言えば、そんな日であってもキレイな撮影ができることは知っていながら、どうやって撮ったら爽やかに映えるのかが分からないからです。
達人のアドバイスは、正鵠を射てきます。
曇りの日にどういう工夫をしたら、メリハリが利いた絵になるのか。
クイズ形式で話は進行して、気がつくと物事の合点が行く。
緑が大好き、でも写真にすると眠い絵になる、弱点を、長所に変換できそうな気がしてきました。
出張撮影が多くなる、10月11月の台風シーズンが来てもこわくないですね。むしろ曇りの日にお任せください、とアピールできるね。
細かい仕掛けを三つくらい仕込むと晴れの日の写真に70%くらいは寄せれる(ライティング、背景、色調整)
by 香川賢志さん⇒@kenjikagawa
課題図書「絵を見る技術 名画の構造を読み解く 」
このオンライン講座では、課題図書がでます。離れたところでPCを介して講義が行われるので、共通言語としての教科書が必要になります。
その中の一冊が秋田麻早子さんの「絵を見る技術 名画の構造を読み解く 」です。
実は、この本は以前店頭で見かけたことも有り、立ち読みもしていました。
なぜ買わなかったんだろう、というぐらいもともと曽我にとって興味深い分野を扱っていました。躊躇なく、早速メルカリ検索してゲットです。
この本は、絵画を構造的に理解するためのツールを提供してくれます。
秋田さんは、「ビジュアル・リテラシー」という言葉でこの能力を表現しています。
初めて聞く概念でした。ビジュアルとは、「目で見える、観て分かる」という意味です。
リテラシーとは、「技能」。つまり、タイトル通り絵を「見る技術」の本なのです。
技術であるから、訓練次第で習得できるのがポイントです。
「絵の理解の仕方」などと言われると特殊な能力が必要なのかと勘違いして、「そんな能力ないから仕方がないか」という結論になります。でも、ビジュアルリテラシーは技術であり、こつこつ習得可能なのだ、となれば話は別。ぜひ獲得したい!
こちらの本で学べる項目は、大別して以下の四つです。
- フォーカルポイントとリーディングポイント
- バランス
- 色味
- 配置と構造
それぞれについてまとめていく所存です。
フォーカルポイントとリーディングポイント
この項目で、興味深いのは「四角い画面には、デフォルトで人の目を引きつける引力が備わっている箇所がある」というリテラシーです。
一番は、言うまでもなく画面の中心です。これは納得ですね。まずは真ん中に力がある。しかし、二番目に引力を持つのはどこでしょうか。それは角なのです。
引力がある、というのは「視線が中心からはずれてさまよう場合、角に近づくときゅっと吸い寄せられる」ということ。そしてそのまま画面の外に出ていってしまいます。
秋田さんは視線が滑り落ちないように、角にひっぱられる視線を中央に引き戻す描写のことを「角の守護神」と呼んでいます。言い得て妙です。
そして三番目が「画面の両サイド」となります。人の目はエッジをしっかり検出するので、辺を見てしまう。なぜか上下よりも左右の辺に吸い寄せられるとのこと。これは指摘されると経験上納得のいくポイントでした。
バランス
バランスとは呼んで字の如し。ここでのキーワードは「リニア・スキーム」です。
構造線にもう一本別の角度からのサブの線との関係性。これがリニアスキームです。縦横斜め、放物線やS字など、それぞれの構造線を支えるサブがあり、そこから印象が由来します。その絵を表現する形容詞もそこから決ってくるとすれば、写真撮影時のクライアントの要望に応えるためには必須の概念です。
考え方としては、「世界は常に有為転変しており、バランスが取れている状態は部分的。だからこそ、芸術は一瞬の理想的な瞬間を絵の中に組織化しようとる」のだとか。これは当然写真にも言えることです。バランスが取れていないほうが常。だからこそ、写真を観たときに、バランスが取れていると価値が生まれるのでしょう。
色味
この項目を写真との関連性で考えると、気になるフレーズは「カラフルになると美しいが、目立たせたいものが埋没する」です。カラー写真でお客様に提供することを考えれば、色味が多いと派手な印象にはなるものの、主人公が埋没してしまわないように、上記のバランスとフォーカルポイントを押さえないといけないですね。
配置と構造
この項目で面白い概念は「ラバットメント・ライン」とそれにより生み出される「対数螺旋」です。詳細は省きますが、写真表現でも使えるものなのだろうか。それが嵌まった作品が在ればぜひ観賞してみたいですね。
課題図書その二「写真力アップのための新トレーニング」
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写真に興味のある方はぜひ参加してみてください。もし、香川さん[1]を知らない場合は曽我が中継しますので、下記までお問い合わせください。
「香川賢志さんの写真教室」についてみなさまからのお問い合わせをお待ちしております。
- 香川賢志さんのtwitterはこちら⇒@kenjikagawa
INSTAGRAM: @kenjikagawa
最終更新日: 2020年05月28日