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天命は完璧に決まっていて同時に自由

モーニングに「バガボンド」という漫画が掲載されています。

言わずと知れた井上雄彦氏による宮本武蔵の物語です。

この漫画を立ち読みしていて「ついに来たか」と独り合点したことがありますので、まとめます。
以前内田樹先生のブログを読んでいたところ、井上雅彦さんと会う、という記事(5月22日)がありました。当然合気道の話になり、現代に生きている武道家達が何を考えているのか、という話題になったのだと思います。

ねじらない・ひねらない・前未来形で時間を先取りするなどなど、おそらく古の武術の叡智が語られたのだと推測していました。そこでお話されたことが、今後のバガボンドにきっと影響を及ぼすだろうと考えていたのです。

そして内田樹先生は、甲野善紀さんともお知り合いで、技に関するお話の中では甲野先生が体現されている部分がきっとお話に上がって居るんだろうと推測していました。

沢庵 宗彭が怪我をして再起不能になりつつある武蔵に向かって一言。

「いいか武蔵、天命は完璧に決まっていて同時に自由なんだ」。

びっくりしました。これは長年甲野先生がおっしゃっている人生観です。

甲野先生と井上先生との間にどんなやりとりがあったか全く知りませんが、今後の漫画の動向にとてつもないインパクトを与える台詞になると考えています。

また「偶然のチカラ」(植島啓司著)を読みました。

「いいことが目に見えてくると、それから「いいことの連鎖」が始まることになる。そのきっかけを見逃さないことだ。それがもっとも大きなポイントである」

これは村上春樹の「いいことはいつも小さい声で語られる」ということと似ています。バーの経営理論を述べるところですね。誰にでも分かる小さなことから始めていく、ということですね。

一人の人が言っているだけだとなんなくそうかな、と思いますが、二人目の人がいると認識が変わってきます。きっとそうなんだろうな、と。

2009.8.12